EU・ベトナムFTA締結: 2020年のベトナム不動産市場に明るい未来を切り開く

Covid-19流行と法的ボトルネックによる供給源減少に起因する不動産市場の悲観的現況に対し、正式承認されたEVFTAは不動産市場全体の前向きな変化、そして各投資家に対してもポジティブな心理変化をもたらす。

ベトナム事業用不動産: 開発加速

2019年の不動産市場は、北部・南部における工業団地の平均占有率が92%以上に達し、賃料も過去2、3年比で30~40%上昇する等、様々な困難に直面したにもかかわらず、ベトナム事業用不動産への注目度は良い意味で高まっている(CBREによる)。

EU・ベトナムFTA締結が2020年のベトナム不動産市場に明るい未来を切り開く

更に、2020年初頭のEVFTA正式承認は、ベトナム事業用不動産を後押しする「触媒」となっている。政府はEVFTAがもたらす好機に対し、海港、高速道路、空港等のインフラストラクチャーの大規模基盤構築を行った。又、ロンアン省、ビンズオン省、ドンナイ省等に集中する南部の土地、約18,290ヘクタールが工業開発向けに使用可能な方向性にあり、その好機を手中に収めるべくベトナム事業用不動産が拡大される。

衛星都市:区画整理から利益享受

ホーチミン市は、東・西・南・北の4方向に衛星都市を開発している。特に、西側エリアはもともと複数の利点を有しており、EUからの人材移動初期段階から「利益享受」できると専門家は判断している。

利点の一つとして、直近のタイバック都市区(ホーチミン市)の区画整理で承認された高度テクノロジーを適用したクリーン工業団地開発の方向性がある。これは、地域における事業用不動産の拡張、及び包括的な開発の可能性が予測できる。更に、西側エリアの魅力的な利点として、着々と整備されているインフラストラクチャーがある。現在、西側エリアの玄関口は、Vo Van Kiet、Cong Hoa Truong Chinh等の運用拡大されている路線を介した都心部への接続、又はAn Suong、環状2号線、環状3号線等の路線を介した東・西側への接続となっている。

特筆すべき西側エリア最大の利点はタンソンニャット空港の所有である。T1・T2ターミナルの拡張で年間3,000万人の乗客収容を可能としているが、更に年間2,000万人収容可能なT3ターミナルを追加建設する予定である。

前述したインフラストラクチャー・区画整理の方向性は、西側エリアが、EUシニア人材(2020年のクラスAセグメント需要を増加させる対象)来越時の「注目度UP」に繋がる。

EU・ベトナムFTA締結が2020年のベトナム不動産市場に明るい未来を切り開く

具体例として、賃貸オフィスに関しては、都心部とタンビン工業団地、タンタオ工業団地等、周辺工業団地との接続に利便性の高い西側玄関口の需要が高くなる事が挙げられる。

賃貸・分譲マンションに関し、ハイエンド顧客グループは、高品質且つ明確な法的根拠のある物件を探す他、国内外市場における知名度のある投資主を優先する傾向にある。

出典:サイゴンエコノミックタイムズ誌 不動産市場

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